コラム

2026年8月30日

かつらの知識
ウィッグはなぜ自然に見える? ベース・生え際・白髪の種類と仕組み

ウィッグはなぜ自然に見えるのか?——鍵は「ベース(土台)」「生え際」「毛」の組み合わせにあります。肌から毛が生えたように見せる「引抜き」という加工や、5%単位で指定できる白髪など、自然さを作る仕組みをご説明します。

この記事は、広島のオーダーメイドウィッグ専門店イーブンが、新規のご相談の前にお伝えしている「基本の説明」をそのまま公開するシリーズです。

ベースは大きく「ネット」と「スキン」の2系統

  • ネット … 網の生地に毛を1本1本結んで作られています
  • スキン … 全体がポリウレタンの薄い生地でできています。薄くて軽いのが特徴です。ピンや両面テープでも留められますが、ネットと違って接着剤が滲み出ることがないため、接着剤での装着もできます(「留め方の話」で出てきたスキンタイプはこれのことです )

「引抜き」— 結び目を隠して、肌から生えたように見せる加工

ネットの製品は毛を網に結んで作るため、結び目が小さな黒い玉になり、近くで見るとそれが見えることがあります。「引抜き」は、ネットの上にさらにシルクのネットを重ね、下に結んだ毛をシルクのネットから引き抜くことで、結び目を隠す加工です。肌から毛が生えているように見えます。

ベースの種類

  • スタンダードネット … 基本のネットです
  • ファインネット … スタンダードより網目が細かいネット。より自然に見えて、耐久性も上です
  • 引抜きネット(つむじ・分け目) … つむじと分け目の部分だけに引抜き加工をしたもの
  • 引抜きネット(全頭TOP) … フルウィッグの頭頂部全体に引抜き加工をしたもの
  • 引抜きネット(部分全体) … 部分ウィッグの全体に引抜き加工をしたもの
  • ホールスキン(通常) … ベース全体がスキン素材のもの。薄くて軽い分、傷みが早いため1年半までの交換をおすすめしています(「耐久性の話」参照 )
  • ホールスキン(引抜き) … ホールスキンに、部分的な引抜き加工(つむじだけ、またはつむじから分け目)を加えたもの

引抜きの範囲が広いほど、また素材が薄く軽いほど自然に見えますが、そのぶん製品グレードは上がります。どのグレードでどのベースが選べるかは、「サブスク(even club)の話」の料金のご説明であわせてご紹介します。

生え際

生え際の作りは、地毛の生え際に毛が残っているかどうかで変わります。

  • 生え際に地毛がない方 → 「生え際ネット」を使います。目の大きいネットで、正面から見たときに奥へいくほど毛量が多く見える加工がされていて、前髪を上げるなど生え際を見せるヘアスタイルができるようになります
  • 生え際に地毛がある方 → 生え際ネットを使うと逆に不自然になるため、「裏植え」という加工がされたものを使います。地毛の上にウィッグを装着しても、境目が目立ちません

白髪

白髪の毛は3種類あります。

  • 一般人工毛の白髪(色が変わらないので白髪の基本。詳しくは「毛質の話」で )
  • 耐熱毛の白髪(製品グレード「アドバンス」以上)
  • 天然人毛白髪(すべて人毛で作れますが、耐久性の関係でサブスク1年交換・プレミアムグレードの方のみ)

白髪の量は5%単位で指定できます。地毛の白髪の割合に合わせて自然に作れますし、次の製品で少しずつ白髪を増やして、自然に歳を重ねていく見せ方もできます。ウィッグのことを知っているご家族でさえ、「いつの間にか白髪が増えている」とあとから気づくほど自然です。

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